赤い楯―ロスチャイルドの謎〈1〉 (集英社文庫) 人気ランキング : 39517位
定価 : ¥ 730
販売元 : 集英社
発売日 : 1996-11
発送可能時期 : 通常24時間以内に発送
価格 : ¥ 730
系図はすごいが

これだけの系図を書かれた本は見たことがなく、その系図を追っていくのは実におもしろい。本文の内容もおもしろいのだが、残念ながら本文の内容は論理的根拠に乏しい。

例えば、ロスチャイルド5兄弟の一人の曾孫の夫の甥の祖父の甥の嫁の父親Aが、ロスチャイルド一家でるというような話が何度も出てくる。この例では、Aの姪の夫の甥の嫁の姪の子が確かにロスチャイルド姓の男子と結婚しているが、この中の一族が全てロスチャイルドであると結論づけられるのに、抵抗感を覚えるのは、私だけではないはず。一部の人間については、十分と思われる説明が加えられている場合もあるが、やはり不十分といわざるを得ない。

本書では、系図で繋がっていると、どんなに遠い親戚であってもロスチャイルドと結論づけられてしまうが、本書を読む限り、多くの富豪がネットワークで繋がっており、その一部はロスチャイルドが強い影響力を及ぼしていると結論付けるのが妥当なのではないのだろうか。

歴史中の出来事についても、根拠に乏しく、なぜそう言い切れるのか疑問符のつくケースが多かった。

本文中に論理の飛躍が散見され、学術的要素に乏しいとは思うが、膨大な系図に敬意を表して星3つ。

地球を転がす財閥の壮大な世界

「日本人がなぜ市民に至るまで傲慢であるかと問えば、それは史実を知らぬから、と答えるほかない。
子供のまま生涯を終え、その途中で一度たりとも歴史を学ばぬ国民、それが小手先の文化論を語り、ビジネスに狂奔する。
外へ出ようというなら、語学を学ぶ前に、丸い地球の歴史を知っておくべきであろう」
「政治家だけを取り上げて戦争の発端を論ずるような歴史観は、今日まで多くの知識人が犯してきた重大な過ちである」
「キリスト教徒が中世の暗黒時代、ユダヤ人に許していた職業は、"ダイヤの研磨"か"金貸し"しかなかった」
「「歴史は女で作られる」?「歴史は夜作られる」、この名言を体現する女性たちについては、歴史上の体系的な記録がほとんど痕跡さえ残っていない状態である」

世界最大の産業"石油"が誕生した19世紀末、「ロックフェラーがヨーロッパの産業共同体にダンピング攻勢」
 ⇒ ロスチャイルド対ロックフェラー対クルップという三つ巴の利権争奪戦 ⇒ 第一次世界大戦

世界最大の化学トラスト「IGファルベン」(独)1925- 後年、アウシュビッツの強制収容所を経営。
総合化学会社「ICI」(英)Imperial Chemical Industries(大英帝国化学工業)1926-。
⇒「当時のヨーロッパを二分する超マンモス企業の誕生と対立」
 「実はここに芽生えた敵意こそが、第二次世界大戦の最も大きな誘因になろうとしていた」

私も親戚になりたい

シャーロット・ブロンテ作「ジェーン・エア」では、行き倒れになった主人公を偶然助けた家族が、実は主人公の遠い親戚だった、というエピソードが登場する。元々向こうの貴族やら金持ちの世界は意外と狭く、赤の他人が実は親戚だったということはよくあるらしい。西欧諸国の各王室も、昔から皆親戚である。そいうわけで、皆さんのおっしゃるとおり、家系図の人間が全て同じ陰謀に加担しているというのはハッタリにも程がある。しかしその点を差し引いても作者の調査能力と執念には脱帽せざるを得ない。家系図の人間関係と利害関係によって、歴史と世界情勢を読み解くというアイデアと手法も、ここまでやれば評価に値すると思う。過去から現在まで、西欧諸国すなわちロスチャイルド家から我が国まで、強者のエゴ、横暴、陰謀、謀略、侵略行為に対して、相手構わずバタバタと撫で斬りにしていく筆致の鋭さは、最高に痛快である。このような怒れる大人の暴走を、一体誰が止められよう。私は本書を読みながら、映画「JFK」とその原作を思い出した。今の時代、陰謀に加担するのは電話一本でこと足りるのだ。しかしそうであれば、血縁関係もやはり陰謀の証になるのであろうか?次は是非とも日本版「赤い楯」をお願いしたい。

世界の支配者とは

世界を支配しているのが誰なのか、そしてどのような歴史のもと、現在のスキームが出来たのかを明確に指し示すノンフィクションです。
驚くのがこれら血縁図がインターネットを使用して調べられた、と言う点で、著者でなくとも同様の調査は可能であったことです。しかしまさか、この人とあの人が血縁関係で、そのまた親戚にこんな有名人が...なんて想像も出来ませんよ、普通は。
最後は、なぜスイスが永世中立国として存続できるのか、それと支配者との関連に言及します。

ユダヤ陰謀論を超える執念の力作

客観的に検証可能な“系図”という手法で、地球的規模の権力に迫る力作。
これを言うと知人が「私は親戚付き合いなど殆どない」とのクレーム。
だから我々は一般人でメジャーではないんだよ、と反論する私。
本書を読んだ別の知人は「単なるユダヤ陰謀本だ」とのクレーム。
全然読んでないじゃないか本書を!、と反論する私。
本書の最大の結論の1つは、確かに赤い楯一族はユダヤ人だが、
大多数のユダヤ人はこうした権力に無縁だ、という点にある。
さらに、マルクスやナチスとの繋がりも見逃してはいけない。

このサイトはAmazon.co.jpのウェブサービスによって実現されています。